CASE事例
データの提供
CASEバイオマス分析の事例
資金提供者
Packard Foundation(パッカード財団)
パートナー
Pivot Point(ピボットポイント)
内容
計画中のバイオマス発電所が気候に与える影響と、その財政面について調査しました。石炭火力発電所のバイオマスへの転換が、気候変動に対して本当に利益をもたらすかどうかを調査した結果、特に代替エネルギーへの投資機会と比較した場合、その利益はごくわずかであることが分かりました。私たちの調査ではバイオマスのサプライチェーンは拡張が困難であり、エネルギー生産と排出削減のいずれにおいても、コストに見合う価値を提供する見込みがなさそうだという結果になりました。同時に炭素回収・貯留(CCS)を伴うバイオマスエネルギーの新技術についても検討しました。CCSを付加することでコストが上昇し、経済効率がさらに損なわれること、極めて高い技術リスクが伴うこと、ロジスティクスの問題が十分に検討されていないことが分かりました。
主な成果
私たちの分析は、バイオマスエネルギーの拡大を制限または阻止しようとする多くの権利擁護者によって取り上げられ、利用されています。エンビバ社(大手木質ペレット製造会社)が経営破綻し、バイオマス・エネルギー業界全体が投資誘致に苦戦していることから、私たちの経済予測が正しかったことも証明されました。この分析は、特にアメリカとヨーロッパの多くの意思決定者にとって説得力がありました。
重要な教訓
エネルギー技術は、経済的、社会的、環境的に正しくないと論拠が揃っている場合でも、もっともらしい説明で政治的支持を得ることに成功する場合があります。専門家は、どのエネルギー・プロジェクトが支持されるべきで、どれが支持されるべきでないかを決定する上で、もっと大きな役割を果たす必要があります。