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CASE事例

レポート

CASE独自のデータ作成

弊社ではIPCCが利用する気候データに加え21種類の気候データを検証するところからスタートします。

私たちは気候が、経済や政治や社会的問題と複雑に絡み合う世界に生きています。しかし現在の気候モデルだけでは実社会への影響を詳しく図る術がありませんでした。加えて平均値での分析方法ではなく極端な値に注目して分析を行う方法に注力しました。極端な値こそリスクが起こる可能性が高いためです。人々は誰もデータ上にあるような平均値の値で表示される世界には生きていません。そのため気候データ以上のリスク・モデルを独自で構築しています。その内容についてご説明します。

STEP01 21種類の気候データを分析・精査

上記の図の説明にもありますが実際の気候モデルを用いて詳しく説明します。下記がランダムに選んだ気候データの図です。仮に4つの気候モデルを用意しオーストラリアのリスクに注目します。3社はオレンジ色の比較的リスクが低いと判定、1社は赤色のリスクが高いと判定されています。この際、平均値の考え方ですと、4つの気候モデルを組み合わせた時にオレンジ色の方が多いためリスクは少ないという判定になります。弊社では1社でもリスクがあると判定された場合まずこのリスクの原因を分析します。この少しのリスクも見逃さず1種ずつ確認して21種類の気候データを重ね合わせます。各機関が作成している気候データはそれぞれ設定値や条件が異なるため1つとして同じものはありません。使用する気候データはIPCCが使用している物と同じ物やさらに多くの気候データを用いているのでこの時点でも独自の気候データと言えます。加えて弊社が力を入れている2020年代〜2030年代の気候データの生成は他にありませんが、今の時代を生きている私たちにとって、非常に重要なデータとなります。

STEP02 独自の気候データに様々なデータを重ねて検証

先程の気候データをベースに調査したい内容に応じて各気象データ(気温、湿度、降水量、風など)を入れていきます。
さらに異常気象データ(EWE)*を重ね合わせます。異常気象のデータの例として異常気温の増加、季節外れの高温、年間降水量の変化、年間干天日数の変化、季節外れの多雨、季節外れの少雨、連続干天日数の変化、降水連続日数の変化などさまざまなデータがあります。

*Extreme Weather Events

異常気温と季節外れの高温の2つの指標を組み合わせた参考例です。

降雨量や異常降雨の2つの指標を組み合わせた参考例です。

STEP03 世界にも類を見ない高精度なデータの構築

先程の気候データだけですと冒頭でお話しした気候の話のみになります。人々は実社会において気候変動や異常気象が起こることで連鎖的に発生する社会的問題が必ず起こります。その起因する問題を把握できるようにあらゆるジャンルの要素を取り入れ、より現実的なリスクを捉えたデータを作成します。
あらかじめ問題を把握しておくことで対策を講じることが出来ます。

降雨量や気温に加え苦情に関する社会データを加えた参考例です。

異常気象がもたらす影響は直接的なものだけではなく、特に環境・社会・ガバナンス(ESG)リスクなどと絡み合う複合的なものがあります。このようなデータを重ね合わすことでSTEP2で紹介したリスクとはまた異なる結果が得られる場合があります。
このような工程を経て弊社独自のデータとなります。このデータを元にクライアント様の課題を抽出し、そこに対する解決策までご提案することが可能です。
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